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複利の仕組みと非課税制度の相乗効果|資産形成を加速させる「最強の法則」

公開日:2026年2月18日 | 監修:FP2級・AFP ココいち

資産形成において、私たちが味方にすべき最大の武器は「才能」でも「元本」でもありません。それは「時間」と「制度」です。

アインシュタインが「人類最大の発見」と評した複利(Compound Interest)の力。そして、日本が誇る最強の投資優遇策である非課税制度(NISA)。この2つが組み合わさったとき、あなたの資産は雪だるま式に膨らんでいきます。

本記事では、FPの視点から「なぜ複利×非課税が最強なのか」を、具体的なシミュレーションとともに深掘りしていきます。

1. 複利の仕組みを正しく理解する:単利との決定的な違い

まず、複利の基本を押さえましょう。投資の利益の受け取り方には「単利」と「複利」の2種類があります。

単利(Simple Interest)

当初預けた元本に対してのみ利息がつく計算方法です。毎年受け取る利息は一定ですが、資産の増え方は直線的です。

複利(Compound Interest)

運用で得た利息を再び元本に組み入れ、その「利息がついた後の合計額」に対して次期の利息がつく方法です。これを繰り返すことで、利息が利息を生み、資産が曲線的(指数関数的)に増加します。

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【FPのアドバイス】
短期間では単利と複利に大きな差は出ません。しかし、10年、20年と継続することで、その差は「無視できない壁」となって現れます。投資信託の積立で「分配金再投資型」を選ぶのは、この複利効果を途切れさせないためです。

内部リンク:投資信託の「分配金受取」と「再投資」どっちがお得?

2. 「72の法則」で知る、資産が2倍になる期間

複利の効果を直感的に理解するために便利なのが「72の法則」です。これは、資産を2倍にするために必要な「金利×年数」を算出する計算式です。

$$72 \div \text{金利(%)} = \text{資産が2倍になる年数}$$

  • 年利3%の場合: $72 \div 3 = 24$年
  • 年利5%の場合: $72 \div 5 = 14.4$年
  • 年利7%の場合: $72 \div 7 \approx 10$年

銀行預金(金利0.001%)では、資産を2倍にするのに7万2000年もかかります。一方で、投資信託等で現実的に狙える5〜7%の運用ができれば、10〜15年で資産を倍増させることが可能なのです。

3. 非課税制度(NISA)が複利を加速させる理由

複利の力を最大限に引き出すための最大の敵、それは「税金」です。日本の税制では、投資で得た利益(譲渡益や配当金)に対して、通常20.315%の税金が課されます。

税金が複利の「ブレーキ」になる理由

例えば、100万円の利益が出たとしても、手元に残るのは約80万円です。再投資に回せる資金が20%も削られてしまうため、次のタームで生み出される複利の種が小さくなってしまいます。この「小さな削り取り」が数十年にわたって蓄積されると、最終的な資産額に甚大な影響を与えます。

新NISAという「ブースター」

2024年からスタートした新NISAは、この20.315%の税金を完全にゼロにします。利益をまるごと再投資に回せるため、複利の計算式から「摩擦(マイナス要素)」が消え、資産形成のスピードが最速化されます。

内部リンク:【新NISA】成長投資枠とつみたて投資枠の賢い使い分け

4. 【シミュレーション】課税ありvs非課税、20年後の差は?

実際にどれほどの差が出るのか計算してみましょう。

条件:毎月5万円を積み立て、年利5%で20年間運用した場合。

項目 通常口座(課税あり) NISA口座(非課税)
投資元本 1,200万円 1,200万円
運用利益(税引前) 約855万円 約855万円
引かれる税金 約173万円 0円
最終受取額 約1,882万円 約2,055万円

ご覧の通り、税金の有無だけで約173万円もの差が生まれました。この173万円をさらに次の10年運用していたら……その差はさらに数百万円へと拡大します。これこそが、非課税と複利の相乗効果(シナジー)の実体です。

5. 相乗効果を最大化するための3つの戦略

この強力な相乗効果を享受するためには、守るべきルールがあります。

① 低コストなインデックスファンドを選ぶ

税金をゼロにしても、信託報酬(管理コスト)が高ければ意味がありません。年率0.1%前後の低コストな優良ファンド(eMAXIS Slimシリーズ等)を選び、運用効率を高めましょう。

② 「分配金受取型」ではなく「再投資型」を徹底

利益を途中で受け取ってしまうと、複利のエンジンが止まってしまいます。NISA口座内での自動再投資設定を確認してください。

③ 暴落時こそ「買い増し」のチャンスと捉える

複利は「元本」と「利回り」と「時間」の掛け算です。暴落時に怖くなって売却すると、それまで積み上げた「時間」という資産を捨てることになります。むしろ安く多くの口数を買える暴落時は、将来の複利爆発の種を蒔く絶好の機会です。

内部リンク:投資信託でよくある失敗例と回避方法

6. 初心者が注意すべき「負の複利」の罠

複利は味方にすれば心強いですが、敵に回すと恐ろしい存在になります。それが「借金」や「高リボ払い」です。

クレジットカードのリボ払いや消費者金融の金利は、年利15%〜18%に達することがあります。これは投資の複利効果の3倍近いスピードで「負債」が増えることを意味します。資産形成を始める前に、まずは高金利の債務を整理することが最優先です。

7. まとめ:時間を味方につける決断を

「複利」と「非課税」は、現代社会において個人が資産を築くための最も確実なルートです。

  • 複利: 利益が利益を生み、雪だるま式に資産を増やす仕組み。
  • 非課税(NISA): 税金という摩擦を取り除き、複利を最大加速させるブースター。
  • 時間: 複利の魔法を完成させるために必要不可欠な要素。

もしあなたが「まだ早いかな」「難しそうだな」と迷っているなら、思い出してください。複利の恩恵を最も受けるのは、賢い人でも運が良い人でもなく、「早く始めた人」です。

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著者:ココいち(FP2級・AFP)
家計管理と資産運用のプロ。4歳の娘を持つ父親として、次世代に残せる資産形成の知恵を公開中。

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