新NISAの普及で投資信託を始める人が増えていますが、最初に必ず直面する選択肢が「分配金を受け取るか、再投資するか」です。この記事では、どちらが資産形成において有利なのか、メリット・デメリットを徹底解説します。
1. そもそも投資信託の「分配金」とは?
投資信託の分配金とは、運用によって得られた収益(配当や利子、売買益)を、保有口数に応じて投資家に還元するお金のことです。
ここで初心者が最も勘違いしやすいのが、「分配金=銀行の利息」ではないという点です。分配金が支払われると、その金額分だけ投資信託の基準価額(価格)は下がります。つまり、自分の資産の一部を切り崩して受け取っている側面があるのです。
分配金の2つの種類
- 普通分配金: 運用益から支払われるもの。利益なので課税対象(NISAなら非課税)。
- 元本払戻金(特別分配金): 運用益が出ていない時に、元本を削って支払われるもの。自分の投資金が戻ってくるだけなので非課税。
2. 「再投資型」が圧倒的にお得と言われる理由
結論から言うと、効率よく資産を増やしたいなら「再投資型」が圧倒的に有利です。その最大の理由は「複利(ふくり)効果」にあります。
複利効果の威力
再投資型を選ぶと、受け取るはずの分配金が自動的に元本へ組み込まれます。これにより、翌月からは「元の元本 + 分配金」に対して運用益が発生します。雪だるまを転がすように、時間が経てば経つほど資産の増え方が加速します。
シミュレーション例:
元本100万円、年利5%で20年間運用した場合(税金考慮せず)
- 受取型: 20年後の合計額 200万円(元本100万+利益100万)
- 再投資型: 20年後の合計額 約265万円
その差はなんと65万円。同じ商品に投資していても、コース一つでこれだけの差がつきます。
3. 「受取型」を選ぶメリットはあるのか?
再投資が効率的なのは事実ですが、受取型が「間違い」というわけではありません。以下のようなニーズがある人には受取型も選択肢に入ります。
- 毎月のキャッシュフローを重視したい: 「今のお金」を増やして生活を豊かにしたい、趣味に使いたい場合。
- 投資の成果を実感したい: 通帳にお金が振り込まれることで、投資を続けている実感が湧き、モチベーション維持につながる。
- 出口戦略にある高齢者層: すでに資産形成が終わり、年金の足しとして資産を切り崩しながら使いたい場合。
4. NISA(ニーサ)で選ぶならどっち?
現在の新NISA制度を利用する場合、「再投資型」を選ぶのが鉄則です。
なぜなら、NISAの非課税投資枠には上限(生涯で1,800万円)があるからです。分配金を受け取ってから自分で手動で再投資しようとすると、貴重な「非課税枠」を新たに消費してしまいます。一方、ファンド内で自動再投資されるタイプ(分配金を出さない設定の商品)なら、枠を効率的に使い続けることができます。
5. 比較まとめ:あなたはどっち派?
| 比較項目 | 再投資型 | 受取型 |
|---|---|---|
| 資産の増え方 | 非常に早い(複利) | 緩やか(単利) |
| キャッシュフロー | なし(評価額が増える) | あり(現金が手に入る) |
| おすすめの人 | 若年層、将来に備えたい人 | 生活費を補いたい人 |
| 手間 | 自動で行われる | 受取は自動だが再投資は手間 |
6. まとめ:初心者は「再投資」からスタートしよう
投資の目的が「老後資金の確保」や「将来の大きな資産形成」であれば、迷わず「再投資型」を選びましょう。複利の力は、時間が味方をするほど強大になります。
もし、「投資をしていても生活がカツカツで苦しい」と感じるようになった時だけ、受取型への変更や、一部売却を検討すれば十分です。